[171冊目]百夜行第二部『幻夜』東野圭吾

171. 幻夜

名作『百夜行』の続編

幻夜』は東野圭吾の傑作『白夜行』の続編といわれている長編小説です。百夜行と連続で読んでしまいました。『幻夜』単体でも物語として成立していますが、できれば『百夜行』を読んでから本作を読まれることをオススメします。その方がより深みを感じ、数倍楽しめると思います。

<<下に続く>>

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さて物語は1995年、主人公新海美冬と水原雅也が阪神大震災で被災したところから始まります。百夜行が1992年までの物語ですので、あれから3年という設定ですね。雅也の父は震災の直前、抱えきれない負債と不景気による工場倒産を苦に首吊り自殺してしまいます。父の死により得るはずの生命保険金は、突如現れた自称債権者である叔父により、奪い取られようとしています。まだ20代の息子、雅也に為す術はありませんでした。そんな夜、阪神大震災が訪れます。街は焼け野原になり、通夜に出席して、そのまま宿泊していた叔父も瓦礫の下敷きになっていました。しかし叔父はまだ息がありました。助けてくれといった目でこちらを見ています。雅也は何も言わず瓦礫で叔父の頭を殴り、殺しました。「大丈夫、この震災で多くの人が亡くなっている。この件はバレない」そう思った矢先、自分に対する冷たい視線を感じます。そう、その現場を唯一目撃していた人間こそ、もう一人の主人公、新海美冬だったのです。秘密をかかえた二人は、そのまま故郷を離れ、東京に逃避していくのです。

さすが東野圭吾でした。物語の7合目まで疑問がどんどん増殖していきますが、終わり間近で、それまで蓄積していた疑問を一気に解消する展開は流石の一言です。また百夜行ほどではないものの、この分厚い長編小説を一度も中だるみなく、読み飽きさせない素晴らしい文章力も抜群です。とにかく最後までワクワクしながらページをめくれる物語でした。ただ個人的にはラストシーンはあまり納得がいっていません。「えー、そういうオチなの??」って感じでした。百夜行と比較すると、今回は主人公二人、とくに雅也の心理が表現されてしまってるのが結果的に残念だったかも?という気がしました。このシリーズは3部作という噂もあります。まだ執筆を始めたという話は聞いたことがありませんが、なんとか3作目、読まして欲しいものです。

幻夜

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