[165冊目]短編小説ランキング1位 江戸川乱歩の「人間椅子」

165. 人間椅子

短編小説No.1

人間椅子』は江戸川乱歩が1925年に発表した小説です。江戸川乱歩というと小さい頃に名探偵明智小五郎シリーズをよくテレビで見ていた記憶があります。変装の名人明智小五郎がクライマックスで正体を晒すシーンがお決まりでしたね。さて本小説はわずか30頁強の短編小説です。本当に短時間で読めてしまいます。ただ読了後のインパクトはとんでもないものがあります。芥川龍之介の「羅生門」や「鼻」、森鴎外の『高瀬舟』なんかも代表的な短編小説ですが、インパクトでいえば、それらを遥かに凌ぎます。他の長編小説も含め、おそらく数年後により記憶に残っている物語はこの『人間椅子』でしょう。今のところ、僕の中で短編小説No1です。

<<下に続く>>

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本作は女性作家の佳子ととある椅子職人の物語です。ある日、佳子の元に一通の匿名の手紙が届きます。普段ならファンレターの一つとしてそこそこに読み流すところですが、その手紙の内容はファンレターではなく、全く見ず知らずの椅子職人からのある罪に対する懺悔の手紙でした。なぜ自分にそんな告白をするのか解せぬまま読みすすめていくと、そこには佳子が今までに考えたことも無いような吐き気がする罪が告白されているのでした。

この物語を読んで、江戸川乱歩という人はどんな性格だったんだろうと、興味を持ちました。読了後の先入観としては、かなり偏屈だったり、意地悪だったんじゃないか?といった予想です。それくらい読者を弄ぶ小説だったからです。実際にwikiなどで調べてみると、若い頃はかなりの人嫌いだったそうですね。学校なんて大嫌い、病室のベッドの上とかがこの上なく居心地がいい、納得行かずに何度も連載中絶など。やはり変な人でした(笑)戦時中にお酒を覚えたこともあり、戦後は人が変わったように人付き合いできるようになったみたいですが、本作はまだ戦前の「変な人」時代の乱歩作品であり、本作を読めば私と同じ様に作者に意地の悪さを感じつつ、悔しいけど興味を持ってしまう人も多いんじゃないでしょうか。

人間椅子

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