[163冊目]韓流ドラマの様な古典通俗小説「真珠夫人」菊池寛

163. 真珠夫人

韓流ドラマの様に高速に展開する通俗小説古典

真珠夫人』は大正九年に発表された菊池寛の新聞小説です。巻末解説の川端康成も言葉を借りると大正時代の「通俗小説」になります。ある年齢以上からは、どちらかというと昼ドラのイメージが強いですね。当時、多くの奥様方がハマっていました。僕は既に働いていたので昼ドラは観てませんでしたが、当時はかなりブームになっていたので当然タイトルはしっており、また当時ハマってた奥さんからも内容を聞いていたので、大体のイメージは持っていました。ただ結論からいうと小説と昼ドラはかなり内容が違います。読了後にwikiで調べましたが、昼ドラの方はかなり内容が脚色されてたとか。ですので昼ドラを観ていた方も、新鮮な気持ちで読むことができると思います。

<<下に続く>>

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物語は大きく前編と後編に分かれます。前編は主人公瑠璃子に突如訪れた悲運がメイン、後編はその後、妖婦と化した瑠璃子と、瑠璃子に関わった人達の物語です。特に後半の妖婦時代は、極めて傲慢な貴婦人となります。しかし、それでもどこかに憎めず、魅力がある不思議なキャラクターでした。

新聞小説という特性からか、毎話3〜5頁くらいのまとまりで構成され、読者を飽きさせない為にテンポよく物語が展開していきます。まるで朝ドラや昼ドラを観てるような感覚で読むことができます。大正時代の物語ですので、旧字体や古い言い回しも多いですが、菊池寛の洗練された表現力のためか、全く古くささを感じず、下手な現代の小説より遥かに読みやすいです。古典として長く読み続けられる物語は、やはり文章の美しさが格段に違いますね。

小説や映画にはいろんな「面白い」があると思いますが、「真珠夫人」は通俗小説ですので、韓流ドラマ的なおもしろさという形容が一番適しているかもしれません。毎回毎回ハラハラしたり、「このあとどうなるの?」と続きが気になって仕方がありません。かといって決して軽薄な内容ではなく、きっちり古典としての深みも持ち合わせている小説です。フォロワーさんに薦めて頂いて読んでみましたが、とても良かったです。wikiはあらすじを書きすぎているので、できれば前情報無しで読んでみて下さい。おすすめです。

真珠夫人

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