ザラついた尾崎世界観と千早茜の小説と古市憲寿が書いた平成終わりの物語

110. 犬も食わない

脱ぎっぱなしの靴下、人肌。ほぼリアルと錯覚させる恋愛小説

犬も食わない』は30代重役秘書の福と年下ダメ男大輔の恋を尾崎世界観と千早茜が男女それぞれの目線から交互に描く物語です。なんでしょう、面白かったです。当たりかな。

30代前後の恋人にありがちな日々が描かれています。ドラマチックな事は起こりません。多少結婚にあこがれを持ちつつも現実的に難しそうだと理解してる福と常に言葉足らずでその日暮らしを望む大輔。脱ぎっぱなしの靴下、理解できない相手の言動、突発的につく嘘。

友人にいそうな二人です。どちらかというと現実から離れる小説ではなくリアルと錯覚させるような小説でした。おすすめです。

109. 知りたくないではすまされない

オバマ、トランプの見方が180度変わった

知りたくないではすまされない』は主にアメリカにスポットを当てて、日常日本のマスコミが報道しない事実が諸々綴られています。

ワシントン・ポスト編集主幹のボブ・ウッドワードが綴った『FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実』ではトランプ大統領はアメリカをボロボロにするのでは?と思ってしまいましたが、アメリカのマスコミの大半はニューディール連合(≒アンチ共和党)なんですね。そもそも共和党と民主党の違いも明確に説明できずにいたのでこの本を読んでかなり目から鱗が落ちました。オバマ=正義、トランプ=痛い老人みたいなマスコミのイメージが大きく覆りますよ。おすすめです。

108. 平成くん、さようなら

今の東京を感じる

平成くん、さようなら』は社会学者・古市憲寿の初小説です。

おそらく著者自身をモデルにしたのではないかと思われる主人公「平成くん」は、ある日突然恋人に対し平成が終わることに伴い、自身も安楽死したいと告げます。自身の誕生日が平成元年1月8日である以上、平成の終わりと共に自分も消えてしまっても良いのではないかと。

安易に死を選んで欲しくない恋人は、主人公が心変わりするようにやさしく説得を続けます。

最終的に平成くんが選ぶ結論とは。。。

物語全体から”今の東京”が色濃く感じられます。Google HomeやUberも頻繁に登場しており、きっと著者もこんな暮らしをしているのでしょう。唯一のフィクションは日本で安楽死が広く認められているという設定くらいでしょうか。

序盤はいい感じかなと思いましたが、後半やや物足りなかったです。読みやすい本ではありますので興味ある方は移動時間にでも読まれては如何でしょうか。

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107. 女生徒


自分が女生徒となり瞑想している様な物語

女生徒』は太宰治中期の短編小説です。『人間失格』がとても面白かったので呼んでみました。相変わらず”浪のまにまに”など美しい形容詞が散りばめられ、小気味よいペースで展開する太宰治らしい本でした。

内容は一人の女学生の脳内を覗いている様な内容です。見たもの、感じたことが矢継ぎ早に現れては消えていきます。感受性が高い10代の女子はきっとこれくらい色んな事を考えて、忘れて行くのでしょう。この世代の女性が思うことや、10代特有の情緒不安定さが上手く表現されています。我々世代からすると少々懐かしくも有り、娘を見ている父親の心境になりました。

あとこの物語の読み手は「瞑想=マインドフルネス」にとても良く似た感覚を覚えます。おしゃべりな脳を1歩離れて冷静に見ているもう一人の自分。そんな不思議な感覚にさせてくれる物語でした。(参考:瞑想をはじめてみた

106. 長州力 最後の告白

革命戦士、過去を語る

長州力 最後の告白』は水道橋博士が長州力本人へ行ったインタビューをまとめた本です。噛ませ犬事件、顔面蹴撃事件、橋本VS小川などプロレス史に残る事件についての本人のコメントが纏められています。

読んだ感想でいうと、やはりああいった伝説の事件は真相を知らない方が夢があって良いかもしれないですね。覆面レスラーの素顔をみちゃった様ななんとも言えない感想を持ってしまいました。

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